3.11東日本大震災の日、
私は熊本県内の外出先で、偶然テレビを見ました。
津波が押し寄せている様子が、オンタイムで流れている、と知り、
気が動転しまして、「あり得ない!信じがたい!やめて」
と、叫びたい感情を押し殺して、平静を保っていました。
インドネシア、スマトラ沖大地震、津波の被災地での出来事を回想する
とともに、現実が入り混ざって、悲しみが膨れあがり、
何とも耐え難い無念の思いでした。
心よりお見舞い申し上げます。
復興ばかりか、復旧にも至らぬ現場が至る所にあるという状況。
写真家として私がやるべきことについて、
あらためて考えさせられます。
2006年3月以降、九州を主な題材に、写真を撮り続けています。
そして、ここ熊本県の小さな町に移り住んで、2年半弱になります。
ここでの風の流れや、人々のつながりから、相互協力から輪が広がりました。
町の人たちとの間で「あしきた写真フェスタ」をやろう!
と、話が持ち上がりました。
芦北写真のまち実行委員会が結成されました。
小さな町に、写真文化の風を少しずつ少しずつ。
思いを温ため、大切にしてきました。
大震災を受けて、私たちは当然、自粛も考えました。
しかしながら、関わってくださった人々から
「写真文化によって、人の心を癒したり、人を支えられることもある」
という意見が自然と湧き上がりました。
そのような前向きさを、皆で共有できたら、と思います。
日本の厳しい状況下での開催につきまして、
心苦しく、複雑な心境を抱えておりますが、出来ればそれを乗り越え、
前向きな姿勢で、視点で、それぞれの思考を見つめ直せたら幸いです。
写真は時間を止めて、人間の記憶の在り方を変えました。
時空を超えて、あなたの大事なものを、長く残してくれます。
伝えることで、繋がりが広がります。
写真を通じた内外の眼から、発想転換してみましょう。
芦北写真のまち実行委員会による、
「あしきた写真フェスタ」をよろしくお願いいたします。